ハマスタがある公園。明治時代から横浜を見守ってきた「横浜公園」

明治9年に開園し、横浜で2番目に古い公園として長い歴史をもつのが横浜公園です。横浜DeNAベイスターズが本拠地としている横浜スタジアム(通称ハマスタ)は、横浜公園の敷地内にあり、野球の試合がある日は、横浜公園も多くの野球ファンでにぎわっています。

園内には噴水や広場、日本庭園、花壇などがあり、中でもチューリップが有名です。今回は、横浜公園の見どころについてご紹介します。

横浜の発展とともに歩んできた横浜公園

横浜公園は、旧横浜市役所の隣にある、横浜では山手公園に次いで2番目に古い公園です。敷地内には横浜DeNAベイスターズが本拠地としている横浜スタジアム(通称ハマスタ)があります。

野球好きな皆さんの中には、ハマスタへ観戦に出かけ、試合が始まる前に横浜公園で休憩したことがある人もいるのではないでしょうか。実は、とても歴史がある公園なんです。

開園は1876(明治9)年。在留外国人の生活環境改善を求めた条約に基づいて整備が行われ、一般の人々にも開放されたため、当時は「彼我(ひが)公園」と呼ばれていました。「彼我」は、「あなたとわたし」という意味をもちます。当時としては画期的だったといわれる、外国人も日本人も利用できる公園だったので、「彼我公園」と名付けられたのでしょう。

1909(明治42)年には横浜市の管轄となり、大震災や戦後の接収時代をへて、1952(昭和27)年からは園内の平和球場で野球の試合が多く開かれました。

1978(昭和53)年に平和球場の跡地に建てられたのが、ハマスタです。ハマスタができたのを機に横浜公園は改築され、日本庭園風の池や噴水、多目的広場がつくられました。さらに1987(昭和62)年、水の広場が整備され、現在の形になったのです。

横浜公園へ行くには、JR京浜東北・根岸線、横浜市営地下鉄ブルーライン関内駅、もしくはみなとみらい線日本大通り駅からそれぞれ徒歩3分です。野球ファンのみならず、近隣で働く人や住んでいる人など、多くの人が平日・休日を問わず行き交う場所にあります。

春のチューリップが横浜公園の見どころ

横浜公園の一番の見どころは、春に咲き誇るチューリップです。約70種類、16万球のチューリップが植えられており、花が咲く時期には多くの人でにぎわいます。品種によって時期をずらしながら、1か月間ほどは鑑賞できるとのことです。3月から咲き始め、4月になると多くの種類のチューリップが咲きます。

横浜公園は、毎年4〜5月に開かれる「よこはま花と緑のスプリングフェア」の会場にもなっているんです。このフェアは、横浜公園のほか、山下公園、日本大通り、新港中央広場も会場に含まれています。すべての会場を回ると1時間ほどかかりそうですが、運動がてら、散策してみてはいかがでしょうか。

また、園内には横浜緋桜(よこはまひざくら)という桜もあり、春に美しい花を咲かせます。横浜緋桜の特徴は、丸みのある濃いピンク色の花です。横浜の名前が付く唯一の桜だそうで、ケンロクエンクマガイとカンヒザクラという2種を交配して生まれた品種とのこと。

横浜緋桜は早咲きの桜で、ソメイヨシノよりも開花時期が早いそう。開花の季節を見計らって、ぜひ訪れてみてくださいね。

噴水や広場、日本庭園もある横浜公園

園内には、日本庭園「彼我庭園」もあり、美しい庭園の風景を楽しむことができます。庭園の入口に「彼我庭園」と書かれた門があるので、行くとすぐにわかると思います。

隣のハマスタは野球の試合開催日には多くの人でにぎわっていますが、彼我庭園に一歩足を踏み入れると、外のにぎわいが嘘のように静かな時間が流れます。休日には、野球の試合前に家族や友達連れで彼我庭園を散策する人たちを見かけます。

庭園の中に入ると、石灯籠や池が目に入ります。滝や小川の水音も感じられ、涼しげな雰囲気がただよう空間です。ツツジやボタン、アジサイといった花も季節ごとに咲き、庭園の風景と相まった美しさを感じられます。

また、遊具広場では子どもたちが楽しそうに遊んでいます。遊具は、船の形と消防車がモチーフになっているカラフルなもので、小さいお子様と一緒でも楽しめます。足で踏むと水が出るところもあり、夏には子どもたちが喜びそうですね。

また、噴水のまわりには花壇があり、街中にありながらも自然豊かな公園です。敷地内は広いので、散歩するのにもよさそうですよ。

なお、2026年には、横浜公園隣にある旧横浜市役所の跡地に、ホテルや店舗、スポーツ観戦などを楽しめるライブビューイングアリーナなどがある複合施設ができる予定です。今はまだ建設中で、その様子はうかがえませんが、完成が待ち遠しいですね。

これから、このエリアの楽しみ方がますます広がりそうです。遊びに行った際には、横浜公園でホッと一息ついてくださいね。

【スポット情報】
横浜公園
住所: 神奈川県横浜市中区横浜公園
入園料: 無料

この記事を書いた人

  ライター名  御代 貴子
プロフィール 横浜に何かと縁があるフリーライター。幼少期の夏休みは横浜の親戚の家で過ごし、大学生活も横浜で送る。現在も神奈川県在住。東北の港町で育ったせいか、海辺の街並みが好き。趣味は飲酒しながらの料理。

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